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悪魔の毒々パーティ (原題:DANCE OF THE DEAD)

2008年アメリカ映画


タイトルを見ると古のトロマ映画のようですが全く関係ありません。
「悪魔の毒々モンスター」のような下品でテキトーな悪ふざけ映画ではなく、ちゃんと作られた青春ゾンビコメディ。
原子力発電所がある街を舞台にゾンビと戦う高校生達を描いています。
無名スタッフ&キャストで作られた低予算作品ながら、細部まで作りこまれていて充分楽しめます。
個人的には初期の「バタリアン」シリーズに似た雰囲気を感じました。

卒業パーティの夜、墓場でふざけていた地元の高校生が甦ったゾンビに襲われる。
無我夢中で墓地から逃げ出すが、街はあっという間にゾンビたちが占拠。
街を修羅場に変えたゾンビ軍団はプロム会場にもなだれ込み、高校生や教師をゾンビに変えてしまう。
生き残った高校生達は仲間を救出するため、プロム会場へと乗り込んで行く。

この作品のポイントは学園コメディの中にゾンビを放り込んだところ。
導入部分は80~90年代風のゆる~い青春もの。
そんな青春コメディの出演者達が、突如墓場から現れたゾンビの首を飛ばし始める…って所が笑いのツボですね。
ちなみにゾンビのタイプは俊足型とノロノロ型の2タイプが出てきます。
この辺のテキトーな感じはいかにもB級作品っぽいですね。

あと原題の通り、この映画のゾンビたちは音楽を聞かせると動きを止めてユラユラするという性質があるんです。
銃火器の無い高校生達はバンドグループの不良と協力し合い、刃物や鈍器で戦うというのも独創的ですね。
ゾンビのメイクは低予算にしては頑張っている方です。
グチャグチャなグロシーンは控え目ですが、青春コメディ要素がボヤケてしまいそうですからこの作品はこれでOKでしょう。
また墓場からボコボコと飛び出すゾンビの登場シーンはなかなか格好いいですよ!

お察しの通り、死体が甦った原因は原発が垂れ流す汚染物質が原因なんですが、惜しむらくはそこをサラッと流しちゃってる点でしょうか。
原発との関連が劇中でしっかり説明されていたらもっとストーリーに深みが出たかもしれませんね。
でもB級未公開作品としては充分満足の1本です。
「悪魔の毒々パーティ」や「ワイルド・オブ・ザ・デッド」のような拾い物に時々巡り会えるからこそB級ホラーはやめられません!




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