アメ車マニア


セクシー・キラー リベンジ・オブ・ザ・デッド(原題:SEXYKILLER)

2008年スペイン映画


この邦題からして滅茶苦茶な感じですが、映画の方もハチャメチャ。
製作国は「REC」シリーズなどと同じスペインです。
でも「REC」とは似ても似つかないPOPでおしゃれなコメディホラーです。

医大に通う女子大生バーバラは、学校内で教師や生徒を殺しまくる連続殺人鬼。
殺すのに大した理由も無いようで、なんとなく気に入らない…、面白半分で…、といったノリで被害者を増やしていきます。
切断した生首を冷蔵庫に保管、しばらく放置して腐敗しかけた所でスケルトンのバッグに入れて仮装パーティへ出掛けて行くというクレイジーっぷり。
そんなバーバラが殺した被害者たちの遺体は、学校内の学生たちが解剖して検死を行います。
この検死担当の男子学生と知り合ったバーバラは、彼が検死解剖で遺体を切り刻んだ話を聞かされ、自分と同じシリアルキラーであると勘違い。
そして二人は勘違いしたまま恋に落ちます。
ちなみにこの検死担当の男子学生、裏では脳内の記憶を映像化する機械の研究開発も行っています。
遺体の脳が完全に死に絶える前にこの機械に掛ければ、遺体の記憶を映像として見る事ができるという代物。
犯人の姿が見れるかもしれないと、バーバラが殺したとも知らずに被害者で実験をしてみる事に。
しかし肝心の犯人に関する記憶はどの遺体にも残っていなかった。
犯人は分からずじまいだったが、何と実験の影響から遺体が次々と生き返り出した!
死後間もない死体は脳が働いていたために理性のあるゾンビだったが、死後時間が経過したゾンビは「食う」という本能に支配されていた。
そして理性あるゾンビたちは生前楽しみにしていたパーティ会場へと向かうのだが、会場へ着く頃には腐敗が進み、皆食欲むき出しの完璧なゾンビになっていた。
そしてそのパーティ会場には彼らを殺した張本人であるバーバラもいた。。。

と、ストーリーだけを書くとまあ普通のB級ホラーのようですが、全く違います。
主人公バーバラはカメラ目線で視聴者に対して終始語りかけてきます。
ご丁寧に正しい殺人方法のHow toまで教えてくれたりもします。
この辺りは「フェリスはある朝突然に」のマシュー・ブロデリックを思い出しました。
また突然ミュージカル調で夢を語ったりもします。
映像に遊び心が多くて、くだらないんだけど飽きさせないのが上手い。
ちなみにセクシーなのは冒頭くらいで、全体的に露出度は高くありません。

あと映画をネタにした笑いも楽しかったです。
「タイタニック」のケイト・ウィンスレットを「太った女」呼ばわりする辺り、いい度胸していますね。
個人的にはゾンビ化した親友と男子学生の掛け合いが大爆笑でした。

バーバラ役のマカレナ・ゴメスという女優は本国のサイトを見ると有名なモデルさんのようです。
検索するときれいな写真がたくさん出てきます。
この作品でもきれいではあるんですが、ちょっと老けて見えちゃうんですよね。
はっきり言って枯れた顔つきは学生に見えません。
パッケージの写真(イラスト?)は相当補正が入っていると思われ。。。

バーバラ姉さんが醸し出すそんな違和感が気になった以外は特に不満もなく、面白い作品でした。
ブラックな笑いのセンスも良かったし、ゾンビメイクもなかなか。
そしてファンタジー風味のエンディングも美しくて気に入りました。

ちなみに邦題を見るとバリバリゾンビが出てきそうですが、出番は後半部分だけです。
このタイトルは日本のソフトメーカーの罠だわな。
でも実際のストーリーを的確に現した邦題ではありますが。


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