アメ車マニア


八仙飯店之人肉饅頭(原題:八仙飯店之人肉叉焼包)

1993年香港映画



究極の鬼畜映画です。
「黒い太陽731」と並ぶ香港映画の暗部。
よくここまで非人道的な映画を作ったなあと思います。
しかも実際にマカオで起こった事件をベースにしているという事で一層萎えさせてくれます。。。

1978年の香港。謝金を断られた事で逆上した男は相手を殺害し、身分を偽りマカオへと移住する。
1986年のマカオ。ウォンと名乗って八仙飯店を経営する男。
ウォンは店を手放して金に換えようとするが、店の権利書に前店主チェンのサインが無いため売却できないでいた。
金に困ったウォンは、イカサマ麻雀で仲間から金を巻き上げていた。
雇っている店員の男が自分のイカサマを見抜いたと知った途端、男を滅多打ちにして撲殺。
遺体を切り刻み、ミンチにして肉まんに詰めて販売した。
その頃マカオの海岸には切断された腕が打ち上げられていた。
警察による調査の結果、その腕は八仙飯店の前店主の母親の物と判明した。
疑いを掛けられたウォンの元へ警察が聞き取り調査に訪れる。
刑事の質問に対してウェイトレスが不利な証言をしかけたと知ったウォンは、閉店後、彼女を暴行し殺害。
ウォンの周囲で次々と不審が発覚し、警察が本格的に調査に乗り出す。
チェン一家が国外に滞在していると嘘をついたウォンは、一家のパスポートなどを廃棄、隠滅しようとした。
しかし、ゴミの中から刑事たちが拾い上げ、重要な証拠として回収される。
ウォンは国外へ逃亡しようとしていたが、出発直前に逮捕される。
取り調べ中の暴行をマスコミにばらしたウォンは刑事たちの怒りを買い、チェンの弟ブーンが服役する刑務所へ送り込まれる。
兄殺しの犯人であるとされるウォンに対し、ブーンとその仲間が激しい暴行を加える。
追い詰められたウォンは、自分の手首を噛み切って自殺を図る。
瀕死のウォンが担ぎ込まれた病院へ、1978年の殺人事件の犯人として香港警察が引き渡しを求めてやって来る。
証拠を持っているという香港警察に対し、明確な証拠を手に入れていないマカオ警察は、手柄を横取りされるという焦りから、ウォンに拷問を加えて証 言を引き出そうとする。
追い詰められたウォンは、ついに幼児5人を含むチェン一家8人殺害について語り始める。。。

ウォンを演じるのは「インファナル・アフェア」シリーズでウォン警視を演じたアンソニー・ウォン。
「インファナル・アフェア」で見せた優しく頼れる上司像とはうって変わって、「八仙飯店之人肉饅頭」では残忍で姑息な殺人犯を演じています。
ずっと苦虫を噛み潰したようなウォン警視も格好いいですが、常軌を逸した八仙飯店のウォンの演技には圧倒されます。演技派ですねえ。

前半は男性店員の解体シーンが見せ場。
遺体を切り刻む手元は見せず、バストアップでアンソニー・ウォンの表情を見せます。この表情がまた恐ろしい。
暫く画面の外で手を動かしたかと思うと、切り刻んだ内臓や肉を持ち上げる。
直接的描写はありませんが十分衝撃的。

中盤では女性従業員を襲いますが、このシーンも直視が辛いほどの残虐非道ぶり。
だって束ねた割り箸を………書けない。。。

後半ではウォンを自供させるために刑事が行う拷問が酷い。
背中に水を注射して水膨れを作り、横になれないようにするなんていう発想が病んでます。
マカオ警察の刑事たちは、良き時代の香港映画のように終始コミカル。
陰惨なこの映画の中で不謹慎なまでに面白おかしく振舞う彼らが一番胸糞が悪いです。
(コミカル演技は必要だったのかなあ。)

そして最大、最悪の見どころがラスト、ウォンが回想する一家殺害シーン。
あそこまで見せる必要は無かったんじゃないか、というのが初めて見た時からずっと感じている印象。
幼児の喉を次々切り裂き、巨大な肉切り包丁で首を切断。
ホラー映画が好きで残酷描写にもある程度耐性があるつもりですがそういう問題じゃない。
子供を手に掛ける場面は、人道的に許されない領域にまで踏み込んじゃっている。
人として見たくない映像であり、そして絶対に子供には見せてはいけない映像です。

怖い映画は大好きだけど、これはナシ。
多分もう二度と見ないと思います。
しかし残念な事にDVD持ってるんですよね。。。

 


<ゾンビ・ハイスクール> <リストへ戻る> <肉>