アメ車マニア


デッドガール (原題:DEADGIRL)

2008年カナダ映画




内気で冴えない男子高校生リッキーとJT。
リッキーは女子高生ジョアンに片思いしていたが、話す事もできず、ただ眺めているだけだった。

リッキーとJTは、好奇心で病院の廃墟へ忍び込んで遊んでいた。
するとそこの地下室で、ビニール袋を被され、鎖に繋がれた全裸の女性を発見する。
彼女はゾンビだった。
誰が何のためにそこに繋いで放置したのかは分からない。

そんな状況を見てひらめいたJT。
誰も来ない廃墟で、美女が裸で縛られている。
理性を失った彼は、別の友達ウィーラーと交互にゾンビ女の上に乗っかった。
すっかりデッドガールの虜になったJTは、廃墟に通い詰める。

ゾンビ女を解放しようとするリッキーはJT達から孤立する。
そんな時、リッキーが片思いする女子高生ジョアンと学校で良い雰囲気になる。
しかしそれを見たジョアンの彼氏ジョニーの怒りを買い、リッキーと一緒に居たウィーラーがぶっ飛ばされる。
その時、涙目ウィーラーがデッドガールの事を口走ってしまい、ジョニーとその仲間を地下室へ連れて行く事になってしまう。

ジョニーはJTたちに乗せられ、デッドガールとお楽しみタイム!になるはずだった。
ところが大事なところをガブッ!と噛まれてしまう。
デッドガールをボコボコに殴ってどうにか息子を救出、股間を押さえて逃げ帰る。
次の日の授業中、突然体調が悪くなったジョニーはトイレへ急行。
便座に座ると肛門から血が…次の瞬間、大量の出血とともに肛門から腸がブリブリブリッ!と噴射して絶命してしまう。

リッキーはJTの暴走を止める為、ナタを手に地下室へと向かう。
するとそこには、JT達が拉致してきたジョアンがデッドガールと背中合わせに縛られ、吊るされていた。
臨戦態勢のリッキーに対し、JTは自分の想いを語り始めた。
孤独なJTは、ジョアンのことで頭が一杯のリッキーに自分の存在に気付いて欲しかったのだった。
その時、縄が解けたデッドガールはウィーラーに噛み付き、彼を貪り食った。
混乱に乗じてジョアンの縄を解いて逃げだすリッキー。
そしてデッドガールはJTにも襲い掛かった。
リッキーが地上への出口を探している間、ジョアンも襲われてしまった。
そしてデッドガールは地上へと逃げていった。。。

爽やかな日差しの中、何事もなかったかのように高校生活を送るリッキー。
学校の帰り道、あの廃墟へと向かう。
そこには、新しいデッドガールとなったジョアンが待っていた。。。

日本公開前から賛否両論でしたが、不謹慎な内容ながら自分は楽しめました。
ゾンビがわらわら出てきてムシャムシャ食いまくるのではなく、拘束された色っぽい美女ゾンビを見つけた事から若者の本性が露になってゆくという作品。
背徳感とか非道っぷりが何となくジャック・ケッチャムの作品っぽい感じです。

ただ脚本には荒さがあって、JT達がタイヤレンチで殴りかかったのに死なない女が何者なのか、デッドガールに噛まれてゾンビになる者と内臓を尻から噴出す者がいる理由、JTの最後はどうなったのかなど、説明不足な点がありました。
まあホラー映画なんて基本的に不条理だらけなので、個人的にはこの程度の落ち度は笑ってスルーできるレベルですが。

残虐描写は内臓ブリブリが一番のグロシーンです。
他にはゾンビの腹に指を突き刺したり、ウィーラーの腕を切断したりと、程よく散りばめられてる感じ。

主役のリッキーはリメイク版「死霊のはらわた」で主人公(?ミアの兄貴役)を演じたシャイロー・フェルナンデス。
JTを演じたノア・セガンは、ジョセフ・ゴードン・レヴィットとブルース・ウィルスの「ルーパー」や「キャビンフィーバー2」に出てましたね。

この前紹介した「ビフォア・ドーン」も変り種ゾンビ映画でしたが、あちらは低予算のインディーズ風味でした。
「デッドガール」にあのような安っぽさはなく、普通の商業映画として見れるクオリティです。
家族や恋人と楽しく見れる映画ではないかもしれませんが、身構えて見始めた割りにそこまでのドギツサは無くて少しホッとしました。




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