アメ車マニア


コリン LOVE OF THE DEAD (原題:COLIN)

2008年イギリス映画


45ポンドという破格の低予算で制作されたゾンビ映画。
ここまで低予算になると最早インディーズ以下ですね。

お金は掛かっていませんがアイデアは独創的です。
ゾンビに噛まれた青年が蘇り、本能のままに街中をうろついては人に噛み付く様子を追っていきます。
普通のゾンビ映画は生き残った人間達が主人公であり、ゾンビはその他大勢という扱い。
ゾンビ個人に着目して描いたゾンビ映画はこれが初ではないでしょうか。

腕を噛まれながらもどうにか自分の部屋に辿り着いたコリン。
傷の手当をしていると友人がゾンビとなって現れ、乱闘の末に倒すものの、コリンは首も噛まれ息絶えてしまう。
数時間後、生き返った彼は街へと彷徨い出る。
人間に襲撃されそうになるが、そこへ助けに入ったのは彼の姉だった。
姉のおかげで助かった(?)コリンだったが、その姉の腕に噛み付いてしまった。
ゴタゴタの中、また一人で混乱の街中を歩き始めたコリン。
彼は生前の僅かな記憶に突き動かされてある場所へ向かっていたのだった。。。

コリンを噛むのは恋人と友人。
コリンの姉は弟に噛まれてしまいます。
ゾンビになった愛する者へのためらいが自らを最悪の状況に追い込んでいくようです。
自分も身内がゾンビになった場合、すぐにとどめは刺せずに噛まれてしまうクチかも。
だからこの辺りの展開は非常に切なかったです。

究極の低予算だから特殊メイクがショボイのは仕方ないところ。
いや、むしろ意外だったのは内臓を引きずり出すシーンなどが用意されていたところ。
お金が無いなりに頑張ったんですね。

見てて一番気になったのは映像の見にくさ。
パニック状態の場面になるとカメラをブンブン振り回すように画像をぶれさせます。
映像を見づらくすることでしょぼさを隠したかったのかもしれませんが、何が行われているかを判断する事ができないほど映像が乱れて訳が分からない部分がありました。
また地下室の場面でも映像が暗すぎて何が起こったのがを理解する事ができませんでした。

あと、新人クリエイターだから多めに見たいとは思いますが、演出に不自然さを感じる部分も多かったです。
ゾンビで埋め尽くされた部屋に数名の人間が押し込まれ、ろくな武器も持たないのに延々と生き長らえたり。
特殊効果などで見せ場を作れない分、演出面など基本的な部分をきっちり抑えてればもっと高評価でした。

前評判を聞いて過剰に期待して見ると裏切られた気分になるかもしれませんが、たった45ポンドで作られた映画だという事を念頭に置いて見れば「よく頑張った!」と褒めたくなるような映画です!


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