アメ車マニア


ビヨンド (原題:THE BEYOND)

1981年イタリア映画


ルチオ・フルチ監督作品で、ゾンビ映画「サンゲリア」のヒットで味を占めた先生、「地獄の門」と同様ゾンビを登場させています。
でもゾンビが主役という訳でもないし、ゾンビに襲われて感染したり殺されたりといった描写は無く、呪いが伝染したり災いを呼ぶといった展開なので、あえてスプラッター枠での紹介です。
フルチ作品の中でも残酷度の高い描写から根強いファンが多いのがこの「ビヨンド」。
酸で顔を溶かしてみたり、犬に食い殺させてみたり、少女の顔面を銃で吹き飛ばしたりとやりたい放題。

ストーリーはフルチ先生お得意の「地獄の扉が開き、死者が蘇った!」パターンです。
まあはっきりいってストーリー展開はよく分かりません。
さっきまで生きてた女性が、場面が切り替わるといきなり酸で顔面がドロドロ溶けてたりとか、唐突にスプラッターシーンが始まったりするので観客はかなり置いてけぼりを食らいます。が、それもフルチ先生の味。

見る我々も作品に身を委ねて見ると、何ともいえない気だるさ、陰湿さ、ゆるさ、グロさ、くだらなさが非常に心地よくなってくるから不思議。
余韻を残すエンディングなんてなかなか味わい深いです。

最初から否定的にならず、フルチ監督に付き合ってあげるくらいの気持ちで見た人の勝ちです。
それが出来たら、フルチワールドにどっぷりはまる事うけあい。
ほんと、この監督はクセになりますよ。

 


<地獄の門> <リストへ戻る> <死霊のはらわた【リメイク】>