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ザ・フォッグ (原題:THE FOG)

1980年アメリカ映画


ジョン・カーペンター監督の霧を題材にした幽霊もの。
きれいにまとめた正統派怪奇映画といった趣ですが、迫り来る霧の恐怖の描き方など、奇才の才能がいかんなく発揮されています。

港町アントニオベイでは、街の生誕100周年を祝う準備が進められていた。
しかしその頃から沖合いより不気味に光る霧が押し寄せてくる。
この霧の中には亡霊が潜んでおり、霧に包まれた者は襲われてしまう。
亡霊たちの目的は何なのか。。。

100年前にアントニオベイを設立した先祖達は、富豪の乗る船を霧の海上で座礁させて殺し、その財産を奪って街を作り上げたのでした。
富豪たちは亡霊となり、末裔たちに復讐するために海から帰ってきたのです。

主演は当時のカーペンター監督夫人であり、「クリープショー」などにも出ていたエイドリアン・バーボー。
霧から息子を守る為に頑張るDJ役です。
謎解きに奔走するのが名脇役トム・アトキンス(「クリープショー」でわら人形の餌食になる親父)と、「ハロウィン」に続いて出演のジェイミー・リー・カーティス。
ちなみにジェイミー・リー・カーティスの実の母で、「サイコ」で有名なジャネット・リーも出演しています。
絶叫クイーンの親子競演というのが楽しいですね。

スタッフでは、カーペンターは今回も監督業の他に音楽も担当。
いかにもカーペンター映画らしい雰囲気を作り出しています。
編集やプロダクションデザインはカーペンター一家の一員、トミー・リー・ウォレス。
後にスティーブン・キング「It」のテレビシリーズや、シリーズ物ホラーの続編を監督したりする人ですね。
特殊メイクは「遊星からの物体X」「ハウリング」などのロブ・ボッティン。
「ザ・フォッグ」では派手な特殊メイクはありませんが、幽霊のリーダー「ブレイク」も演じて大活躍しています。

エンドクレジットでは、役名にカーペンター監督と縁のある人の名前が使われている事に気付きます。
例えば前述のトミー・(リー・)ウォレスや、カーペンターの旧友であり「エイリアン」「ゾンゲリア」等の脚本や「バタリアン」の監督と脚本でも知られるダン・オバノンなど。
楽しみながら映画作りをしている感じが伝わってきますね。

小学生の頃、土曜日に学校から帰ってくると、昼過ぎの90分枠の洋画番組でよく放送してましたね。
神秘的な霧に亡霊伝説を絡めたストーリーはとても雰囲気があります。
ジョン・カーペンターとしては珍しい古典的なオカルトですが、よくまとまった作品で気に入っています。



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