アメ車マニア


レストストップ デッドアヘッド (原題:REST STOP DEAD AHEAD)

2006年アメリカ映画


テキサスに住むニコールは、家出をして彼氏ジェスの車でLAを目指していた。
田舎道を走行中、センターラインをはみ出してきたフォードのトラックと正面衝突しかけそうになる。
怒ったジェスはトラックのドライバーに悪態をつくが、逃げるように立ち去ってしまった。
しばらく走るうちに些細なことで二人は口論となり、カッとなったニコールはブチ切れモードで、道路沿いのレストストップ(駐車場付き公衆トイレ)へと寄るようジェスに頼む。
薄汚れ、廃墟のようなそのトイレで用を足したニコールは、駐車場へ戻るがジェスのクルマが無い。
駐車場には1台のキャンピングカーがいるが、助けを求めても応答はなし。
駐車場の隅に立てられた掲示板には、大量の行方不明者に関する情報が貼られていた。
途方に暮れるニコールのもとに、さっきのフォードトラックが現れ、血にまみれたジェスの携帯電話を投げつけて去っていった。
身の危険を感じたニコールは駐車場の脇に隣接するレンジャーの事務所へと侵入。
武器は無かったが無線機を発見。呼びかけに応えてくれたトラックの運転手が警察へ通報してくれると言う。
安心したのか、レンジャーの事務所で見つけたバーボンですっかりいい気分のニコール。
酔ってウツラウツラしていると外で物音が。
いつの間にか彼氏ジェスの愛車が道路の真ん中に停められていた。
様子を見に行くとジェスの姿は無く、車内は血まみれだった。
逃げようと運転席に座ったニコールだったが、そこへトラックが突っ込んでくる。
間一髪で逃げ出したがジェスのクルマは大破。
トラックに向かって「もうすぐ警察が来るぜ!」と叫ぶニコールだったが、殺人者のトラックに据え付けられたスピーカーからは、無線で助けを求めるニコールの会話が流れてきた。
無線で話した相手は殺人者だったのだ。
泣き崩れるニコールを横目に、再度立ち去るトラック。
その時、無人かと思われたキャンピングカーが走り出した。
ニコールは無理矢理クルマを停め、乗り込んでレストストップから脱出する事に成功する。
キャンピングカーには老夫婦と双子の少年たちが乗っていた。
しかし様子がおかしい事に気付くニコール。
するとカーテンで仕切られたクルマの最後部からおかしなうめき声が聞こえてきた。
不審に思ったニコールがカーテンを開けると、そこには奇形の少年が隠れていた。
勝手に少年を見たニコール激怒した夫婦は、彼女を再びレストストップに降ろして去っていった。
ニコールはトイレへと隠れるが、その掃除用具入れの中には助けを求める女性がいた。
女性は犯人のアジトである廃車のスクールバスの中で、体を傷付けられるといった拷問を受けたと言う。
話を聞いていると突然大量の血を吐き出す女性。
一刻も早く用具入れから助け出そうとしたニコールは、扉の鍵を壊す為、ジェスのクルマへタイヤレンチを取りに走った。
しかしトイレに戻ってみると、用具入れの中に女性はおらず、吐血の後も一切無くなっていた。
訳が分からずパニックに陥るニコールだったが、その時、外からオートバイの音が聞こえてきた。
レンジャーの事務所に白バイ警官が来たのだった。
警官の元へ走り、状況を話すニコール。
本部に連絡すると警官が白バイへ戻ると、そこにまたトラックが現れて警官を轢いてしまう。
警官は負傷し歩くことができなくなってしまい、白バイは殺人鬼が引きずって持ち去ってしまった。
その隙にトイレまで警官を引きずって行くレイチェルに、警官は自らの命が長くない事を告げる。
そこに再度殺人鬼が現れてトイレのドアを針金で固定し、開けられなくしてしまう。
犯人の気配が消えた後、ドアの取っ手を破り、その隙間から手を出して針金を解こうとしたその時、殺人鬼がニコールの指に噛み付き、食い千切り、窓の隙間からガソリンを注入し始める。
唯一の逃げ道を断たれたニコールは、屋根の一部を覆うプラスチックカバーを開けて屋根の上への逃げ道を見つける。
しかし白バイ警官を屋根の高さまで持ち上げる事ができない。
警官は、自分の銃で撃ち殺して欲しいとニコールに頼む。
嫌がるニコールだったが、焼け死ぬのは嫌だという警官の頼みを聞き入れて脳天を吹き飛ばしてやるのだった。
そして屋根へと逃げようとしたニコールが警官の遺体の方へ眼を向けると、遺体も、飛び散った脳や血も一切消えていた。
状況が飲み込めないまま屋根へと逃げ出そうとした瞬間、ライターが投げ入れられトイレは大爆発。
それを見届けた殺人鬼は立ち去り、ニコールは夜の森の中へと逃げ込んだ。
ところがそこにもトラックが現れた。
茂みに隠れたニコールを探しながら殺人鬼がトラックから降りてきた。
後ろからタイヤレンチで殴り殺したニコールは犯人の顔を確認してみると、何と犯人の格好をさせられたジェスだった。
彼氏を殺したニコールを残してトラックが立ち去ってゆく。
復讐の火がついたニコールは、バーボンの空き瓶にジェスのクルマから抜いたガソリンを詰め、火炎瓶を作る。
そしてまたもや現れた殺人鬼のトラックに投げつけた。
トラックは大爆発を起こし、運転席も炎に包まれた。
しかし運転席に犯人の姿は無い。。。その時!!!

いきなり怒涛の勢いでストーリーを書いてしまいました。
なんかねぇ。すごく惜しい作品でした。
このままでもDVDスルー作品(日本で言うところのVシネマ)としては充分な出来でしたが、各要素を丁寧に描いたらもっと面白く、深みが出たと思うんですよねえ。

まず何と言ってもキャンピングカーファミリーの扱い。
何か意味深なキャラなのは分かるけど、活かしきれていないんですよねえ。

あと殺人鬼の正体もな~んかあやふやなまま。
エンドロールで前述のキャンピングカーファミリーのホームビデオが流れるんですが、ここで親父が人間を穴に埋めてるんですよね。
よく見ると、その死体の服装がトラック殺人鬼と一緒なんです。
直感的に、殺人鬼はもともとイカレタキャンピングカーファミリーに殺された悪霊だったのか!と思いました。
最後にチラッと映る顔はどす黒くて悪魔っぽい感じだったし。

でもそうだとしたらなおさらキャンピングカーファミリーの描写が弱い。
言動はクレイジーだけど、そのクレイジーさをもっと具体的に見せて欲しかったですねえ。
(ちなみに映像特典のホームビデオは必見。この一家が殺人鬼に復讐されてます。)

それと、遺体が消えちゃう掃除用具入れの彼女と白バイ警官。
多分、殺人鬼に殺された幽霊だったのでしょう。
これもね、もっと効果的に活かせればもっと怖くなったと思うんですよね。
警官の身の上話なんて結構泣かせてくれましたし。

何よりも一番の問題点は、ヒロインの図太い神経。
殺されかけてるのに酔っ払って酩酊状態になったり、なぜか汚くて怪しいトイレが大好きで何度も足を運ぶし、森の道端で居眠りはするわ、明らかな変人の言う事に逆らってみたり、自ら危険な方へと進んでいくチャレンジ精神がお見事。
もう神経が図太すぎて感情移入が難しいっつーの。
でも凛々しい顔つきの美女なので、そんな行動も格好良く見えちゃうからまあ許して見れちゃいましたが。

という事で、「ハイウェイマン」みたいなクルマに乗った殺人鬼モノかと思いきや、実はオカルト映画。
…というのが最大のオチでしょうか。
その上、流行のトーチャーポルノ的な拷問シーンまで用意されるサービス旺盛な作品。
突っ込みどころは多少あっても、これぞB級映画の面白さ!という事で許せちゃうホラーファン泣かせの拾い物です♪

 


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