アメ車マニア


パラノーマル・アクティビティ 第2章 TOKYO NIGHT
(英題:PARANORMAL ACTIVITY: TOKYO NIGHT) 

2010年日本映画





ホームビデオで撮影したかのようなフェイクドキュメンタリーの形をとり、低予算ながらも記録的大ヒットを飛ばした「パラノーマル・アクティビティ」
かのスティーブン・スピルバーグ監督がリメイク権を獲得したものの、このオリジナルを超える事は不可能と判断し製作を断念したという逸話が有名です。

その「パラノーマル・アクティビティ」の監督が日本の配給会社に、「日本を舞台にした続編を見てみたいなあ」と漏らしたのがきっかけとなり製作されたのがこの「パラノーマル・アクティビティ 第2章 TOKYO NIGHT」
日本人のスタッフ&キャストにより日本国内で撮影された日本映画です。
この作品の位置づけは「日本版続編」で内容的にはスピンオフ的ですが、れっきとした正式な続編。
ちなみに1作目のストーリーに繋がる正規の「パラノーマル・アクティビティ2」が同年にアメリカで制作されています。
続編が2つに枝分かれするというのが面白いですね。


東京で父親と共に暮らす浪人生の山野幸一。
姉の春花がアメリカ旅行で事故に遭い、両足を骨折して帰国した。
父親は長期出張続きで留守がちのため、車椅子で自宅療養する姉の介護を任される。

春花が帰国してすぐ、山野家では就寝中に物が勝手に移動するといった現象が発生。
幸一が買ったばかりのビデオカメラを設置し、深夜の家の様子を撮影し始めた。
面白半分で置いた盛り塩は見えない力に崩され、ラップ音が発生。
コップは突如砕け散り、深夜にラジオが鳴り出し、飾られた写真の顔の部分に穴が開けられた。
幸一の友人が連れてきた霊感の強い女友達は、何かを見て口から泡を吹き、怯えるように家から飛び出す。
そして春花は就寝中に何者かに体を触られパニック状態に。

父親に電話して状況を伝えるものの、4日後に帰宅した時に聞くからと真剣に取り合ってもらえない。
そこで姉弟は自宅に神主を呼び、お祓いをしてもらう事にする。
その後、一旦は落ち着いた怪奇現象だったが、数日後にまた発生。
神主に再び助けを求めようと連絡すると、山野家でお祓いをした直後に急死したという。

追い詰められた姉弟は自宅を出る決意を固め、荷造りを始める。
しかしその夜から悪魔は攻勢を強め、春花の体を乗っ取ってしまう。
春花の絶叫を聞きつけ居間へと駆けつけた幸一は、押し入れに押し込まれた父親の遺体を発見する。
そして春花を乗っ取った強大な力が幸一を弾き飛ばす。
恐れをなした幸一は姉を残したまま自宅を飛び出し、通りかかったタクシーに飛び乗ると、とにかくその場から離れるよう運転手に告げる
しかし走り出したタクシーの前に突如春花が立ちはだかり、避けようとしたはずみで路肩の車に衝突、幸一は気を失ってしまう。

運び込まれた病院で、父の遺体を確認するため霊安室へと入る幸一。
しかしそこには。。。


余り期待せずに見始めたのですが、予想外に怖かった。。。
その怖さを表す試写会の動画が面白いです。

怯えまくる女子高生たち


優木まおみさんもびっくり


アントニオ猪木氏も…と思ったらあんまりびっくりしてない(汗)


でも、怖い物知らずのヤンキーのみなさんだってびっくり(笑)


ね、怖そうでしょ。

春花がアメリカから悪魔を連れてきちゃった訳ですが、そのきっかけとなったのが骨折の原因となった事故。
なんと事故の相手が1作目の登場人物であるケイティだったというのは驚き。
ちゃんと1作目と繋がってるんですね~。

ただ、展開や撮影方法など、悪い意味で1作目と被る部分が多く新鮮さはありません。
またフェイクドキュメンタリーと呼ぶにはわざとらしい演出が目立ち、リアリティという点では1作目に及びません。
でも怖さで言ったら自分は1作目よりも遥かに怖かったです。

IMDbの評価を見ると10点満点中5.3点。
1作目が6点台なのを除いて続編群はみな5点台なので、アメリカでもそれなりに評価されている模様。
というかこのシリーズ自体、そんなに評価が高くないのが意外ですが。

長江俊和監督は数多くのテレビドラマや「放送禁止」という映画などを撮った方。
残念ながら他の作品は見た事がありませんが、この手のフェイクドキュメンタリーを得意とする監督さんだそうです。

多少の突っ込みどころはあれど全体的にはまずますな仕上がりの「第2章 TOKYO NIGHT」ですが、その中で非常に気になったのが幸一役、中村蒼の喋り方。
甘ったれ小僧みたいにまとわりつくような喋り方だけは最後まで慣れなかったです。
ただでさえ甘ーい顔のイケメンだから、餡子の上に砂糖をかけて食べるような感じですね。
対して春花役の青山倫子の演技は自然でとても良かったと思います。
ああいうお姉ちゃんっていますよね~。(自分に姉はいないのであくまでもイメージです)

同じ日本を舞台にした「ワイルドスピード3 TOKYO DRIFT」のように、アメリカと日本の文化を無理矢理融合するような無謀な事はせず、日本の流儀で作ったのが大正解。
日本人にもすんなり入り込めるし、海外にも「これが日本のパラノーマル・アクティビティじゃい!」と胸を張って紹介できます。
こういう続編やスピンオフの作り方は面白いと思いました。
海外作品の続編の権利を買い付けて、日本の資本で(海外の指図は受けずに)、日本流の続編を作る。
こんなパターンでその映画作品の世界観が世界中に広がっていったら楽しいですね~。

 


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