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プリズン (原題:PRISON)

1988年アメリカ映画


この「プリズン」の後に「エルム街の悪夢4ザ・ドリームマスター」を撮り、「ダイハード2」や「クリフハンガー」といったハリウッド超大作へと進出するレニー・ハーリン監督作品です。
主演は「悪魔のいけにえ3」「ヒストリー・オブ・バイオレンス」「イースタン・プロミス」「ロード・オブ・ザ・リング」などのヴィゴ・モーテンセン。
クールな囚人キャラが格好いいです。

60年代に閉鎖された刑務所が再開される事になり、当時看守だったシャープが所長となって赴任する。
荒れ放題の刑務所に護送されてきた300人の囚人の中に、バーク(ヴィゴ・モーテンセン)が居た。
収監された囚人たちの手で片付けられた刑務所は、シャープの厳しい管理体制の下、運営が開始される。
しかし、この刑務所では閉鎖される直前、無実の罪を着せられて電気椅子で処刑された囚人がいた。
その霊は壁の奥に埋められた処刑室に封じ込められていたが、封印を破った事で解き放たれ、看守や囚人達を次々と殺していく。。。

この作品、低予算B級映画を多数量産していたエンパイア・ピクチャーズが製作しているんです。
当時の低予算ホラー映画としてはスケール感も大きく、テンポ良く作られているあたりは後のヒットメーカーの力を感じさせます。
お金は掛けなくてもこれだけの物が撮れるという良い見本です。

特殊メイクはエンパイア作品でおなじみ、「死霊のしたたり」「13日の金曜日PART7」のジョン・ビュークラー。
オープニングからいきなり電気椅子の処刑シーンという強烈さ。
肌は焼け焦げ、沸騰した血が吹き出る描写は衝撃的です。
亡霊が見せる殺しのテクニックは、炎の中で苦悶の表情を見せる囚人の丸焼き、鉄パイプの顔面貫通、有刺鉄線のグルグル巻き、胸板に大穴などなど。
特に有刺鉄線を使ったシーンは痛かった。。。
撮り方が上手いからなのか、ジョン・ビュークラー特有のチープさが目立ちませんでした。

全体的によくまとまっているのですが、バークが死んだ死刑囚そっくりな事が判明するものの、ナゼそっくりなのかが解明されないまま終わってしまうのは不完全燃焼でした。
あと、最後に一瞬姿を現す死刑囚の霊をもっと見たかったのと、シャープ所長への復讐が意外とあっさり終わらせちゃっているのが残念。

それともう一つ言わせてもらうと、レニー・ハーリン監督特有の起伏の少ない平坦な演出はこの作品でも健在。
つまらない訳じゃないんだけど何となく盛り上がりに掛ける感じが残るのは、その後撮るハリウッドメジャー作品も同様。
これがこの監督の作風なので、「ダイハード2」や「エルム街の悪夢4」が好きなら全く問題ありませんです。



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