アメ車マニア


ミラーズ(原題:MIRRORS)

2008年アメリカ映画


主人公はキーファー・サザーランド演じる停職中の警官ベン。
誤って同僚を射殺して以来酒に溺れて妻子とは別居状態が続いている。
復職へ向けての第一歩として、火事により全焼したデパートの夜間警備の仕事に就く。
火事で大勢が亡くなった為、裁判の証拠として現場を保全しているのだった。
全焼したはずのデパートだったが、廃墟の中には無数の姿見が無傷のまま多数設置されていた。
初出勤の日、ベンがデパートへ到着すると、前の晩に先輩警備員が変死した事を知らされる。
その夜、デパート内を巡回していると恐ろしい不思議な現象に見舞われる。
デパートに隠された謎を解くためベンは調査を開始するが、次々と恐ろしい事実が浮かび上がる。
そして呪いの鏡は、ベンの家族を狙い始める。。。

「ハイテンション」が世界中で評価されたフランス人監督、アレクサンドル・アジャが脚本と監督を務めたハリウッド製オカルト映画。
鏡に撮り憑いた悪魔の恐怖を描いています。
おどろおどろしさを増幅させる伏線も色々と用意されており、Jホラーと呼ばれる日本製幽霊映画の影響も見て取れます。
舞台となるデパートは、実は精神病院だった建物を改装して営業していた事が判明します。
悪魔は元々ある少女に取り憑いていたのですが、この精神病院で悪魔祓いが行われました。
その方法は、鏡張りの個室に少女を閉じ込め、己の姿と対峙させるというもの。
戦いに敗れた悪魔は鏡に吸い込まれ、建物内の鏡に潜んで復活の時を待っていたのでした。

面白いのは、鏡に映った自分は悪魔に取り憑かれて支配されているんです。
鏡の中の自分が自らの体を傷付けると、自分の体も傷付いてしまうのが恐ろしい。
同監督の「ヒルズ・ハブ・アイズ」のようにグロ、ゴア、フリークスだらけの作品とは違いますが、ベンの妹が殺されてしまう場面は凄まじいです。
鏡の中の妹が両手で自分の上顎と下顎を引き裂くのですが、実際の妹の顔も見えない力によって頬が裂け、下顎を引き千切られてしまいます。
この場面はゴアシーン好きにはたまらないと思います。
特殊メイクはKNBエフェクツでグレゴリー・ニコテロ、ハワード・バーガーなどが参加しています。
ちなみにKNBにイケダ・アキヒトさんという日本人の名前を発見。
調べてみると「トランスフォーマー」や「ターミネーター4」といった大作にも参加しているようです。
特殊メイクのトップアーティストたちと一緒に仕事をする日本人がいるなんてスゴイ!

アレクサンドル・アジャ監督の他の監督作品と比べるとやや大人しく、脚本もやや破綻気味ではありますが、私は充分楽しめました。

 


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