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ヘルハウス (原題:THE LEGEND OF HELL HOUSE)

1973年アメリカ映画


怪奇現象が起こるといわれるベラスコ邸の調査にやってきた一団を襲う恐怖。。。
お化け屋敷ホラーでは間違いなく最高傑作だと思います。

監督のジョン・ハフは「ヘルハウス」と同年に傑作カーアクション「ダーティ・メリー クレイジー・ラリー」を製作しています。
大掛かりな仕掛けはなくても、しっかりした人間ドラマを描写することで観客を引き付ける監督です。
原作と脚本は「激突!」「トワイライトゾーン」「アイ・アム・レジェンド」などを手掛けたリチャード・マシスン。
このゴールデンコンビでこの「ヘルハウス」がつまらない訳がありません。

幽霊屋敷として恐れられ、調査の度に大勢が命を落としているベラスコ邸。
その調査の為、また数組の科学者と霊能者がヘルハウスと呼ばれるその館へに泊り込む事になる。
メンバーは、心霊現象を消し去る機械を持ち込んだ科学者のバレット博士とその妻、前回の調査で唯一の生き残りであるフィッシャー、若く純真な女性霊能者タナー。

ヘルハウスの家主であるベラスコ氏は、数十人の惨殺遺体を館に残し、ある日忽然と姿を消した。
このベラスコというおっちゃんがとんでもない曲者。
幾多の激しく歪んだ性癖を持ち、身長2mの巨人と言われていた。
しかも息子を鎖で繋いだまま監禁し、死なせたという事実も判明する。

そして霊能者タナーの寝室に、ベラスコの息子の霊が現れる。
体を求められたタナーは、浮かばれない息子を成仏させるために受け入れてやる。

バレット博士の機械が作動するという時、タナーは息子の霊に危険を知らせるため、屋敷内に設置された礼拝堂に駆け込む。
ところが、屋敷内に息子の霊は居なかった。
タナーが体を受け入れたのは、息子のフリをしたベラスコ自身だったのだ。
その時、倒れてきた巨大な像がタナーの下半身を押し潰し、絶命してしまう。

バレット夫妻とフィッシャーは博士の徐霊マシンを作動させ、霊の消し去ろうと試みる。
一度は消え失せたかに見えたベラスコの霊だったが、再び現れ、バレット博士の下半身をシャンデリアで潰して殺してしまう。
そんな被害者の死に様を見てフィッシャーはベラスコに問いかける。
下半身を執拗に狙うベラスコは、足にコンプレックスを抱える小さい男だと見抜いたのだ。
真実を知られ、力が弱まるベラスコの霊。
そして礼拝堂の奥にある隠し部屋には、ベラスコの遺体が隠されるように座っていた。
小さい体を偽装するため、足は切断され、長い義足が装着されていたのだった。

派手な仕掛けはないのにグイグイ引き込まれます。
ジョン・ハフ監督、本当に上手いです。


 


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