アメ車マニア


家 (原題:BURNT OFFERINGS)

1976年アメリカ映画


「ヘルハウス」や「悪魔の棲む家」といったメジャー作品の陰に隠れたお化け屋敷ものの佳作です。

ひと夏の間、古い豪邸の管理を請け負った家族。
優雅な暮らしに浮かれていたものの、身の回りに少しずつ異変が起こる。。。
薄気味悪い笑みを浮かべた霊柩車の運転手、姿を見せない老婆、飾られたたくさんの写真、少しずつおかしくなっていく一家。 見ているこちらの不安を煽るのが上手いです。
でもこの作品の本当の怖さは、家そのものの存在。 死者が出るたびに家が美しくなっていくんです。
犠牲者の命と引き換えに、邸内の枯れてた草木が甦って花を付け、痛んだ外壁が剥がれた下から美しい壁が現れる。
そしてエンディング、老婆の部屋にズラッと並んだ写真の中に、家の犠牲となった一家の写真が加えられた。。。

一家の夫婦を演じたのは、70年代を代表する俳優であるオリバー・リード、カレン・ブラック。
彼らの演技は現代の感覚からするとコミカルにさえ感じてしまう大袈裟なもの。
オリバー・リードのどことなくコミカルな風貌もそれを加速させているような。。。
そういうノリも70年代の映画らしい雰囲気を醸し出していますね。

その二人加え、大女優ベティ・デイビスが一家の伯母役で出演。
寂しげにすすり泣く彼女の存在感には圧倒されます。

オカルト映画ブームに乗ったメジャースタジオ作品でありながら地味な印象の一本ですが、オカルトを語る上では外せない作品です。



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