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ハウリング (原題:THE HOWLING)

アメリカ1980年度作品


「グレムリン」のジョー・ダンテが監督した狼男物。
「E.T.」「クジョー」で共にお母さん役だったディー・ウォーレス演じるテレビキャスターが主人公。
取材中、変質者に襲われたキャスターは、療養のために田舎町の保養所に入所する。
しかしそこは狼人間達の巣窟だった!

ジョー・ダンテ監督のホラー映画への愛情が炸裂した作品です。
懐かしい昔のホラー映画のテイストに溢れているんです。
音楽やラストの展開など、古の怪奇映画を見たことのある人なら思わず微笑ましくなると思います。
脚本は後にインディーズ映画で名を馳せるジョン・セイルズが担当。
いかにもジョー・ダンテ監督が好みそうな50~60年代の怪奇映画風な展開を描いています。
同じ1981年に制作された「狼男アメリカン」よりもシリアスで怖いです。見比べてみるのも面白いかも。

特殊メイクはロブ・ボーティン。
ピクピクと額がせり出し、変身していくシーンはリック・ベイカーの「狼男アメリカン」とは違う迫力。
…というように、「ハウリング」VS「狼男アメリカン」、あるいはのロブ・ボーティンVSリック・ベイカーとして語られる事が多いですが、二人は師弟関係であり、この「ハウリング」にも特殊メイクコンサルタントとして師匠のリック・ベイカーの名前がクレジットされているんです。
というのも、「ハウリング」は元々リック・ベイカーに来た仕事だったのが、他の仕事で参加できなかったために弟子のロブ・ボーティンを紹介したという経緯があるんですね。
だから言われてるほどガチで対決した訳ではなさそうです(「狼男アメリカン」を撮影中だったジョン・ランディスが、「ハウリング」を見て焦っての変身シーンに手を加えたなんていう逸話もありますが…)。
他にも特殊メイクにグレッグ・キャノン、その他特殊効果にはダグ・ベスウィックやデビッド・アレンなんていう懐かしい名前もクレジットされています。

ちなみに、劇中の電話ボックスの前に立ってるおじさん、ジョー・ダンテ監督の師匠、ロジャー・コーマンに似てませんか?
クレジットもないし、調べてみたけど分からなかった。。。

ハウリングシリーズはその後6本作られたようですが、フィリップ・モーラ監督が撮った2作目と3作目が気を失いそうになるほどつまらなかった。。。
ジョー・ダンテのような狼男に対する愛が感じられないんですよね。
ということで、それ以降見ていません。。。が、つい最近知ったんですが、4作目の監督は大好きな「ヘルハウス」のジョン・ハフ監督だそうです。
これは見てみたい!是非ともDVD化を!!



ちなみに、2011年に久々の続編が制作されました。ちょっと期待したのですが、予告編を見る限り、「トワイライト」シリーズのヒットに便乗した青春ロマンスホラー(?)のようです。う~ん、見たかったのはこんな「ハウリング」じゃないんだよ。。。


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