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クリープショー2 怨霊 (原題:CREEPSHOW 2)

1987年アメリカ映画


監督ジョージ・A・ロメロ×脚本スティーブン・キング×特殊メイクトム・サヴィーニという黄金トリオが生み出した名作ホラー「クリープショー」の 続編。
この続編では監督が代わり、「ゾンビ」「死霊のえじき」「クリープショー」の撮影を担当していたマイケル・ゴーニックになりました。

お話は前作が5話だったのに対し、この続編では3話で構成されています。
スティーブン・キングの短編や未発表作品を元に、ジョージ・A・ロメロが脚本を書いています。

特殊メイクはハワード・バーガーとエド・フレンチが担当。
メイクアップエフェクツテクニシャンズという肩書きでグレゴリー・ニコテロも参加しています。
ニコテロは今No.1の実力を持つ特殊メイクアーティストですが、名前が前に出てくるのはちょうどこの頃から。
エド・フレンチはこれ以前より、ジョージ・A・ロメロ製作のTVシリーズ「フロム・ザ・ダークサイド」などで御馴染みでした。
ちなみにトム・サヴィーニは今回、俳優としてプロローグとエピローグに登場しています。
といっても、メイクで全く人相が分かりませんが。。。
あと、スタントコーディネーターとして「死霊のえじき」でゾンビに体を引き千切られたタソ・スタブラキスも参加しています。
監督は人に任せていても、スタッフはロメロ一家が大勢関わっている所で少し安心します。

1話目「木彫りのインディアン人形」
荒野で雑貨店を営む気のいい老夫婦は、店のマスコットである巨大な木彫りのインディアンを大事にしていた。
その店へインディアンの老人が訪れ、長年支払いが滞っていた商品代金の代わりに、インディアンの財宝を残して立ち去る。
ちょうどそこへ3人の若者が強盗に押し入り、インディアンの善意が詰まった財宝を奪い取ろうとした。
しかし、それに反抗した老夫婦は、彼らに殺害されてしまう。
財宝を手に入れた若者達は都会へ旅立つ準備をしていると、そこへ木彫りのインディアンが現れた。。。

2話目「殺人いかだ」
人気の無い季節はずれの湖に遊びに来た4人の若者。
冷たい水の中、湖の中央に浮かぶいかだへと泳ぎ着く。
すると、いかだの周囲をヘドロのような黒い浮遊物が漂っている事に気付く。
それは意思を持った生物で、捕らえた人間を食ってしまうのだった。
一人、また一人とえじきになり、一組のカップルが残った。
ついに残った少女も襲われるが、少年はその隙に一人で岸を目指して泳ぎ出した。
そしてその後を生物が追いかける。。。

3話目「ヒッチハイカー」
不倫相手との情事の後、深夜、森の中のハイウェイを車で走る歯科医夫人。
一瞬よそ見をした隙に、道路脇に立っていたヒッチハイカーを轢き殺してしまう。
目撃者がいなかったためそのまま現場を立ち去るが、彼女の行く先には死んだはずのヒッチハイカーが現れ、車にしがみついてきた。
轢いても、潰してもまた現れるヒッチハイカーをどうにか振り払い、自宅に着く事が出来たのだが。。。

1作目と比べるとどうしようもない駄作に見えてしまいます。
でも「クリープショー」は神がかり的な作品でしたから、それと比べるのは酷過ぎるというもの。
一旦冷静になって見直すと…う~ん、まあまあ楽しめたかな?というレベルでしょうか。
ただ、濃厚な5話が詰め込まれた1作目はそれだけでお腹がいっぱいでしたが、3話しか無い上にそれぞれが小粒な2作目はやはり物足りないです。

また、続編を名乗るのであれば、もっと続編らしい気遣いが欲しかった所です。
例えば、登場人物が恐れ慄く場面では背後に漫画の背景のような演出が欲しかったし、音楽も前作のジョン・ハリソンから代わってしまったためか雰囲 気が大きく異なります。
全体的な印象が「クリープショー」っぽくないんです。
「らしさ」が出ていればもっと素直に入り込めたかもしれないと思うと残念。

ちなみに、「木彫りのインディアン」で老店主を演じているのはジョージ・ケネディ。
「エアポート」シリーズのような頼れる好漢役も、「裸の銃を持つ男」みたいなすっとぼけた演技も、「ゴースト/血のシャワー」のような悪役も、何 でもこなせるベテランの名脇役ですが、こんなB級映画でも素晴らしい存在感を発揮しています。思わず感動しちゃいました


【2014年2月追記】
なんと「クリープショー2」がBlu-ray化されて新発売されます!
ついでに1作目も出してくれないかなあ。

 


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