アメ車マニア


メイ (原題:MAY)

2002年アメリカ映画





幼い頃から斜視だったため、引っ込み思案な子供時代を過ごしたメイ。
唯一の友達は母親からプレゼントされたガラスケース入りの不気味な人形だけだった。

そして大人になり動物病院で働き始めた彼女は、矯正用のコンタクトレンズを購入して斜視を克服。
自信を得たメイは密かに想いを寄せる、美しい手を持った自動車修理工の青年へとアプローチを開始する。
深い人付き合いをした事が無い為、ぎこちないながらも恋心を伝える事に成功。二人はデートを重ねる。
彼の部屋で二人が結ばれようとした直前、何を思ったかメイは彼の唇に噛み付き、出血させてしまう。
怒った彼はメイに別れを告げ、去っていってしまった。
傷心を慰めてくれた同性愛者の友人にも裏切られ、孤独に陥ったメイは、自分好みの友達を作る事を思いつく。
ハロウィンの夜、手作りの仮装衣装を纏い、クーラーボックスを引きずりながら夜の街へ繰り出したメイは、元彼や友人宅を訪問。
自分のお気に入りのパーツを集めて自宅に戻ったメイは、パーツを繋ぎ合わせて友達を作り上げた。
しかし、友達には足りないパーツがあった。。。

前半はちょっと変わった女の子の危ないラブストーリーのような展開。
メイはちょっと変わってて不気味な女の子なんだけど、健気で一生懸命人に好かれようとしている姿を見ているとだんだん可愛く見えてきます。
心を持たない人形が唯一の友達だったという事から、人を好きになるきっかけが相手の人間性ではなくてパーツというのが悲しい。
その結果ラストの惨劇を引き起こしてしまう訳ですね。

監督のラッキー・マッキーはこれがデビュー作。
斬新な感覚を持った映像作家である事はこの作品からもよく伝わります。
メイが恋心を抱く青年がホラー映画マニアで、自宅にはダリオ・アルジェント作品のポスターが貼ってあったりするあたりから監督のホラー愛も感じられます。
ラッキー・マッキーはこれ以降、様々なホラー映画を手掛けて行く事になります。
また大御所ホラー監督達に混ざって「マスターズ・オブ・ホラー」に参加したりと、ホラー映画監督の出世街道をひた走ります。





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