アメ車マニア


サランドラ (原題:THE HILLS HAVE EYES)

1977年アメリカ映画


)

「サランドラ」って個人的にはちょっと不運な映画だと思っています。
日本公開当時の宣伝がとにかく過剰でした。
まず「全米の各州で公開禁止!」と謳ってましたが、その宣伝文句から期待するほど過激ではなく、見る前の期待とはかなりかけ離れていました。
まあもともとそれほど完成度の高い映画ではありませんが、個人的にはこの宣伝文句のせいで実際以上に作品の評価を下げてる気がします。
この宣伝文句は本当だったのでしょうかね。。。
また殺人鬼の持つ刃物に「ジョギリ」なんて名前付けて、広告に大写しして宣伝してましたね。
広告で見るとまるで巨大なノコギリのような刃物だったのが、実際は果物ナイフみたいなサイズで、しかもチョロっとしか登場しない。
これには失笑しました。

荒野をキャンピングカーで旅行する一家。
しかし彼らは核実験場の跡地に迷い込んでしまう。
そこでは、
放射能の影響で奇形となった一家が、旅行者を捕らえては食べるという生活を営んでいた。。。

「サランドラ」という邦題は訳がわかりませんが、原題は不気味な感じでいいですね。
荒野のど真ん中で立ち往生した一家を、周囲の丘(というか崖)の上から見張っているという状況を示しています。

特殊メイクを施した殺人鬼も登場しますが、それよりもノーメイクのマイケル・ベリーマンの顔の恐ろしさが凄い!
並みの特殊メイクも敵わないほどのインパクトです!

日本公開は制作から数年が経過した後であり、80年代のスラッシャー映画全盛期にブームに便乗する形で公開されました。
1981年の「13日の金曜日」以降、スラッシャー映画は大きく変化し、残酷描写が派手になりましたが、この「サランドラ」はそれ以前の作品。
80年代のスラッシャー映画群の中に入れるとちょっと異質です…というか、はっきり言うとちょっと物足りない。
だから見る前にその辺の諸々の事情を理解して見ることが必須かな。

観客を劇場に呼びたかった日本の配給会社の気持ちも分かるけど、作品とは違った方向の期待を招いた事は罪だと思う。
作品を正当に評価してもらえなかったウェス・クレイブン監督がちょっと不憫に思えたりします。。。

 


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