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ヒルズ・ハブ・アイズ (原題:THE HILLS HAVE EYES)

2006年アメリカ映画


)

1977年のウェス・クレイブン監督作品「サランドラ(原題:THE HILLS HAVE EYES)」のリメイク。
フランス映画「ハイテンション」で評価されたアレクサンドル・アジャ監督が撮っています。
オリジナル版「サランドラ」の雰囲気を壊さず、ほぼ忠実にリメイクしていますが、ナゼか「サランドラ」よりもはるかに面白くて恐い。
「ハイテンション」も怖かったし、アレクサンドル・アジャ監督は今後のホラー映画界で注目の人物かもしれません。

キャンピングカーで旅をする一家。
人気のない砂漠のど真ん中で事故を起こして立ち往生してしまう。
携帯電話は圏外、他のクルマは通らず完全に孤立。
そんな一家を丘の上から見つめる殺人鬼がいた…。

その砂漠は核実験場の跡地で、度重なる実験の放射能で奇形化した一家が犯人。
しかも人を食う狂人ファミリー。最悪です。
仲良し一家を次々と血祭りに上げていくのですが、家族の見てる前でパパが焼き殺され、娘の前でママが射殺され、長女は旦那の前で殺され…かなり不愉快なシーンの連続です。

でも生き残った長女の旦那が、連れ去られた赤ん坊を取り返すため、最後は単身殺人鬼のアジトへ突撃して大暴れしてくれます。
このアジトへ乗り込むシーンがオリジナル版には無かった部分。
このシーンを付け加えたおかげで面白さと怖さが格段にUPしています。
また核実験場跡である事を示す無数のクレーターや、核実験のために作られたダミーの町なども不気味さをプラスしています。
オリジナル版では核実験の事実をビジュアルとして見せる場面はありませんでしたから。
あと、殺人鬼一家の末娘の姿も、オリジナルはターニー・ウェルチ(古い?)みたいな原始人ルックのきれいなお姉ちゃんでした。
でもこのリメイク版ではもっと小さな子供で、放射能による障害を持っています。
このように全体の流れは旧作から大きく変えず、ディティールを作り込んだリメイク手法です。
これなら旧作のファンも納得すると思います。

特殊メイクはトム・サビーニの弟子、グレッグ・ニコテロ。
「死霊のえじき」で生首に電極繋がれてたあの兵隊役の人です。
この作品ではゴアシーンが見世物のようになる一歩手前くらいで抑えてるのが好印象。
グチョグチョを見せ過ぎるとそっちに意識が向いちゃいますからね。
とはいえ血糊の量はかなりのものです。
奇形一家の顔は気合が入ってます。マイケル・ベリーマンをモデルにしたと思われる殺人鬼のデザインには思わず(笑)
そして末娘の悲しそうな表情に(泣)

オリジナルの「サランドラ」はちょっと物足りなかったけど、その設定を活かしたまま甦らせてるのがとにかく見事なんですよね~。
ロブ・ゾンビの「ハロウィン」と並び、最近のホラーの中ではお勧めできる1本です。




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