アメ車マニア


ヘンリー ある連続殺人鬼の記録 (原題:HENRY:PORTRAIT OF A SERIAL KILLER)

アメリカ1986年度作品


「ウォーキングデッド」でどこか憎めない悪役・メルルを演じたマイケル・ルーカーが、実在の連続殺人鬼ヘンリー・リー・ルーカスに扮した実話ベースのサイコホラー。

夫との不仲により家を出てきたベッキー。
兄オーティスが居候しているヘンリーの部屋に転がり込んだ。
オーティスは、母親を殺して服役していたヘンリーと刑務所で知り合ったという。
互いが子供時代に親から受けた虐待を語り合ううちヘンリーに親近感を覚えたベッキーは、彼に好意を抱くようになる。
ベッキーの前では紳士的なヘンリーだったが、その裏では次々と女性を毒牙にかけていた。
ある夜、オーティスと共に夜の街へ出かけたヘンリーは、知り合った二人の女性を路地裏で殺害。
初めはうろたえるオーティスだったが、以後、ヘンリーと凶行を重ねるうちに殺人に快楽を覚えるようになる。
殺人を重ねるうちに常軌を逸し始めたオーティスは、ヘンリーが部屋を出ている間にベッキーに襲い掛かった。
しかし戻ってきたヘンリーに刺殺され、風呂場でバラバラに解体、ビニール袋に入れて川へと投げ捨てられた。
ベッキーと共に逃亡したヘンリーだったがモーテルの部屋でベッキーも殺害、道路脇に遺体を捨てた。。。

まずオープニングが強烈。
女性の顔をドアップから始まり、徐々にカメラが引いていくとそれが遺体である事が分かります。
同様にヘンリーが殺した犠牲者たちの姿が延々と映し出されるのですが、ビンが顔面に突き刺さっていたり、川岸に浮かぶ女性など、作り物と分かっていても「実在の殺人鬼」という先入観があるので非常に生々しく感じます。

常人には理解しがたい連続殺人鬼を、無表情のまま演じきったマイケル・ルーカーは凄い。
淡々と殺しを重ねるその姿からは静かなる狂気を感じます。

対してトム・トウルズ演じるオーティスは衝動を抑えきれないクレイジーなキャラ。
言動からして軽薄で人間的に物凄く嫌悪感を覚えます。
トム・トウルズはトム・サビーニ版「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」でも嫌らしいおっさんを演じていましたね。

監督は「ワイルドシングス」のジョン・マクノートン。これがデビュー作です。

映画を見る前に、まずはヘンリー・リー・ルーカスについてwikiなどで調べてみる事をお勧めします。
この映画では語られない凄まじい生い立ちや人間性が書かれており、大変興味深いです。




<スマイリー> <リストへ戻る> <シャドー>