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ダーク・フェアリー (原題:DON'T BE AFRAID OF THE DARK) 

2011年アメリカ映画


「パシフィック・リム」のギレルモ・デル・トロ製作総指揮のダークファンタジー風ホラー。

画家のブラックウッドは、自宅地下室の焼却炉から地中深くに開いた穴の中へ、何者かに息子を連れ去られてしまう。 
息子に会う為、彼は家政婦を殺してその歯を抜き取り、焼却炉の中に捧げた。
すると、穴の中に棲む何者かが「子供の歯でなければダメだ」と囁いたかと思うと、ブラックウッドを焼却炉の中へ引きずり込んでしまう。

時は流れ、現代のブラックウッド邸。
転売の為に買い取ったアレックスとインテリアデザイナーのキムが住み込みながら修復作業を行っていた。
そこへアレックスの前妻と暮らしていた娘サリーが、母親の育児放棄により、一緒に暮らす為にやってくる。
しかし母親に捨てられ、若い女と暮らしている父を前に、サリーは心を閉ざしてしまう。
そして父親と付き合っているキムにも冷たく当たるのだった。
孤独なサリーは屋敷内で1人遊ぶうちに、何者かに導かれるように封印された地下室を見つける。
そこには厳重に封印された焼却炉があった。
扉の向こうに何かの気配を感じたサリーは、大人の制止も聞かずに扉を開けてしまう。
それ以降、屋敷には不気味な姿の小さなモンスターが姿を現し始めた。
その生物が引き起こした不可解な事件を度が過ぎた悪戯だとサリーを叱るアレックスとキム。
モンスターたちは孤立したサリーを闇の世界へ引きずり込もうと、徐々に凶暴さを増して追い詰めてゆく。
怯えるサリーの訴えに耳を傾けるようになったキムは、1人でブラックウッドの調査を始める。
そして、屋敷に秘められた秘密を暴き出すが。。。

1972年に作られた「地下室の魔物」というB級モンスター映画のリメイクです。
子供の頃、テレビ放映された際に一度だけ見たんですが、結構怖かったと記憶しています。
一回しか見ていないので余り自信はありませんが、リメイク版はオリジナル版を強く意識した絵作りがされているように思いました。
ただし、オリジナルでは若奥さまだった主人公が、このリメイク版は子供に置き換えられました。
子供が恐ろしい目に遭うというギレルモ・デル・トロ監督のお決まりパターンにアレンジされたって訳ですね。

モンスターのデザインは気持ち悪いです。
フェアリーとは名ばかりで、夢に出そうな不気味な姿のうえ、ワラワラと大挙して現れます。
ゴアシーンはありませんが、神経を直撃する痛そうな場面がたくさん用意されています。

ギレルモ・デル・トロが絡んでいますがこれはアメリカ映画として作られた英語作品です。
アメリカで活躍するスターが登用され、キム役はトム・クルーズの元奥さん(って書いちゃいますよね、やっぱり。)ケイティ・ホームズ。
サリーの父親役はガイ・ピアース。しかし彼のファンとしてはダメ親父っぷりが残念でなりません。
もっと格好いい所が見たかったなあ。
そしてサリーを演じた少女は、トビー・マグワイヤ、ジェイク・ギレンホールの「マイ・ブラザー」にも出てたベイリー・マディソン。
影のある少女を演じさせたら一番じゃないでしょうか。
成長が楽しみな演技派少女です。

ギレルモ・デル・トロですから、もちろん悲しく切ないエンディングが用意されています。
単に怖いだけでなく、しっかりと心に刻み付けられる作品に仕上がっています。

 


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