アメ車マニア


ピラニア3D(原題:PIRANHA)

2010年アメリカ映画


「グレムリン」のジョー・ダンテ監督の出世作「ピラニア」を、今をときめく(?)アレクサンドル・アジャ監督がリメイク。
アジャさんの「ヒルズ・ハブ・アイズ」が結構お気に入りなので否が応でも期待は高まります♪

ジョー・ダンテ版は「ジョーズ」の影響下、ロジャー・コーマンの指揮の下で制作された低予算映画でした。
でも怪奇映画好きのジョー・ダンテらしく、単なる「ジョーズ」のパクリ映画で終わらず、独自の味付けがされたモンスター映画のような気高さを感じるB級ホラーでした。

ところがリメイク版はエロとゴア満載のお下劣ムービー。
3D映画として制作された事をフルに活かして観客を翻弄してくれます。
全裸のおねえちゃんを観客の目前で泳がせたり、ピラニアに噛み千切られた男子の大切な部分をこちらに向けて漂わせてみたり、観客に向かってゲロを吐きかけてみたりと、ありとあらゆるお下劣表現を駆使しています。
また大勢の若者が乱痴気騒ぎをする水辺で繰り広げられるピラニアによる殺戮ショーも、あまりに凄まじいゴア描写で唖然とするほど。

地震による地殻変動で湖底に亀裂が走り、太古から隔てられていた地底湖と湖が繋がってしまう。
この地底湖には氷河期以前に生息していたピラニアの先祖が生き続けており、獲物を求めて湖へと彷徨い出てゆく。
まずいことに、湖は夏のバカンスを楽しむ若者たちが大勢集まっていた。
その中にはポルノ映画の製作スタッフと女優たちが乗ったクルーザーもいた。
彼らは地元の高校生であるジェイクに、撮影場所となる絶景スポットへ案内するようにとガイドとして雇いクルーザーに乗せた。
ジェイクの留守中、自宅にいた幼い弟と妹が、船を漕ぎ出して湖にある小島へと釣りに出かけていく。
しかし小船を流されてしまい途方に暮れる二人を、ポルノ映画撮影中のジェイクたちが偶然見つけて救助する。
ところが浅瀬でクルーザーが座礁してしまう。
その頃、湖畔のイベント会場は大挙してやってきたピラニア軍団が、若者たちを食い漁り、死体の山を築いていた。
若者を救助すべく奮闘していた女性保安官の携帯電話が鳴る。息子ジェイクからだった。
幼い兄妹と共に沈みかかったクルーザーに乗っている事を知ると、保安官はモーターボートに飛び乗り助けに向かう。
しかしクルーザーの周りも既に無数のピラニアが包囲していた。。。

酒、ドラッグ、エロい事しか考えていない若者が次々と殺されていくパターンはスラッシャー映画のような展開。
ハラハラドキドキのパニック映画というより、おバカな若者が懲らしめられる姿を楽しむホラー映画です。
見所となるゴアシーンを作り上げたのは、「ヒルズ・ハブ・アイズ」でもアレクサンドル・アジャ監督と組んだKNBエフェクツ。
今スプラッターなゴアシーンを作らせたらKNBが文句無しにNo.1ですね。「ピラニア」でもいい仕事してます。
今回はグレッグ・ニコテロとハワード・バーガーのみの参加で、カーツマンのクレジットはありませんでした。

出演者は、ジェイク役はあのスティーブ・マックイーンの孫であるスティーブン・R・マックイーン。
おじいちゃんにはあまり似てないけどいい男です。
冒頭、ピラニアの最初の被害者となる老人は、「ジョーズ」「オールウェイズ」のリチャード・ドレイファス。
ダンガリーシャツで釣りをしてる姿を見て、もしかして「ジョーズ」のフーパー?と思ったけど、役名は違っていました。
でもきっとパロディというかオマージュ的な意味合いでの出演だったのでしょうね。
ジェイクのお母さん役は「リンク」「リービング・ラスベガス」のエリザベス・シュー。
魚博士は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のドクことクリストファー・ロイド。
エリザベス・シューとクリストファー・ロイドは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の2&3に続く共演ですね。
どうしようもなくアホなポルノ映画監督は「スタンド・バイ・ミー」のバーン役だったジェリー・オコネル。
あの純情だったバーンがこんな役を演じるようになるとはねえ。
あと「MI」シリーズといった大作の傍ら、ホラー映画ばかり出ているヴィング・レイムスも出てます。
そして色んなホラー映画にチョイ役で出まくってる「ホステル」のイーライ・ロス監督もまた出てます。
マイクを持ってお下劣なことを叫びまくった挙句、ボートに頭を潰されて大変な事になってます。

もともと3D映画として撮られているのでできれば3Dで見た方が楽しいですが、2D映像でも全く問題なく楽しめます。
気軽に見れる軽いホラー映画ですので、グロさえ平気な人なら誰でも楽しめると思いますよ~。

  


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