アメ車マニア


ドーン・オブ・ザ・デッド (原題:DAWN OF THE DEAD)

アメリカ2004年度作品


こちらはジョージ・A・ロメロ監督「ゾンビ」のリメイク。
生存者がショッピングモールに立て籠もってゾンビと戦うという物語の外枠は一緒です。
でも中身はオリジナリティある内容に作り変えられており、オリジナルとはかなり違います。
ただ、オリジナルとは違う面白さが生み出されていて良くできたゾンビ映画だと思います。

このリメイク版ゾンビ、走ります!全力疾走です!最高に恐いです!
でもここが旧作のファンにとっては評価の分かれるところ。
無表情でフラフラと彷徨う姿のロメロゾンビに対し、必死の形相で猛ダッシュするゾンビは怖さの質が全く別物だからです。

早朝、看護師のアナと旦那が自宅で目覚めると、ゾンビ化した隣家の少女が立っていた。
旦那は少女に噛まれて死亡…したかと思ったら直後に蘇ってアナに襲い掛かってくる。
バスルームに逃げ込み、窓から外に逃げ出したアナは、自宅のある住宅街で繰り広げられる惨劇に愕然とする。
車に飛び乗り、猛ダッシュで走って追いかけてくる旦那を振り切りって車を走らせる。
途中、車を奪おうとする暴徒を振り落とそうとした際に運転を誤り、道路脇の木に衝突して走行不能になってしまう。

ここまでが物語のオープニングになりますが、そのスピード感のすごい事!
そして空撮や車載カメラで捕らえた映像を繋ぎ合わせる事で、地上のパニック状態を見事に表現しています。
こういうセンスはザック・スナイダー監督の本領発揮といったところですね。

さて、事故現場で出会った黒人警官と共に、アナは避難場所である空軍基地を目指すことにした。
しかしその先で出会った一行に、基地の方向は酷い状況で進めないことを知らされる。
そしてその一行と共に、とりあえず最寄のショッピングモールへ避難する事を選ぶ。
ショッピングモールは横暴なCJをリーダーとする警備員グループがおり、モール内での行動を厳しく管理した。
一般人VS警備員グループの間で確執が繰り広げられた結果、形勢は逆転、警備員たちを隔離することに成功する。

遅すぎる救助を待っていると、1台のトラックがモールの駐車場に飛び込んできた。
納品用ゲートにトラックを着けると、荷台からは大勢の生き残った人々が降りてきた。

これでフルキャスト勢揃い。
この辺りから人間関係がさらにぐちゃぐちゃしてきます。
これ以降は本編で見て頂きたいんですが、個人的に一番衝撃的だったエピソードを書きます。

一般人グループの中には妊婦のルダとその旦那が居た。
ルダはゾンビに噛まれていたが二人はその事を隠していた。
二人は子供の誕生を楽しみにしながら、モール内の個室で静かに暮らしていた。
しかしルダの状態は少しずつ悪化。
いつしか両手を縛られたままゾンビと化していた。
ゾンビとなった妻に対しても変わらぬ愛情を注ぐ夫。
すると、大きなお腹が動いたかと思うと、ルダが赤ん坊を産み落とした。
おくるみに包まれた娘を愛おしそうに抱く夫。
そこへ様子を見にやって来たばあさんが、変わり果てた姿のルダを撃ちます。
激怒した夫はばあさんを撃ち、負傷しながらもばあさんはアホな夫を射殺。
銃声を聞きつけてやってきたアナは、蠢く赤ん坊の姿を見て愕然とする。
ルダが産み落とした赤ん坊も既にゾンビ化していたのだった。
涙ながらに赤ん坊に銃口を向けるアナ。。。


このエピソードは子を持つ親としてはちょっときつかったです。
でもオリジナル版には無い独自のエピソードとしてインパクトを与えてくれました。


エンターテイメント作品としてもよく出来たA級ホラーですので、これは万人にお勧めできる作品だと思います。
とはいえ、グロシーンや、ゾンビを弄ぶブラックなシーンもあるので、不快感を感じる人も居るとは思いますが。
あと旧作ファンは、ピーター、ロジャーなどのカメオ出演をお見逃し無く。

最後の最後、エンドロールで驚いたのは、プロダクションクルーにクレジットされた「ヘザー・ランゲンカンプ・アンダーソン」。
これは「エルム街の悪夢」でナンシーを演じたヘザー・ランゲンカンプですね!
この作品の特殊メイクを担当しているデビッド・リロイ・アンダーソンが旦那さんだそうです。
ホラーファンのアイドル、ヘザーちゃんを奪いやがって。

ちなみにDVDのディレクターズカット・プレミアムエディションは、劇場公開時にカットされた残酷映像が追加になっています。
見ごたえがUPしているのでお勧めです。
また特典ディスクに入ってる映像特典も、形だけのおまけ映像ではなくしっかりと楽しめるものです。
特に劇中のニュース番組を通して世界がゾンビに制圧されていく様を描いた特典は面白いですよ。


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