アメ車マニア


死霊伝説 (原題:SALEM'S LOT)

1979年アメリカ


「シャイニング」「キャリー」と同じスティーブン・キングの原作を、「悪魔のいけにえ」のトビー・フーパーが監督したヴァンパイア映画です。
日本では2時間弱の作品として劇場公開されましたが、実は3時間を越えるテレビ映画を編集して縮めた物。
私は最初に短縮版をVHSで見ましたが、編集されまくり1時間以上削られてしまったおかげで変な作品でした。
そんな経緯もあり、長い間、日本では低く評価された作品でした。

でも今は「死霊伝説 完全版」として183分の全編が見れるDVDが発売されています。
私はこの完全版を初めて見た時、長年モヤモヤしていた物がすっきりと晴れました。

まず、183分もあるのに全くダルさを感じさせないのが素晴らしい。
さすがは黄金期のトビー・フーパーです。
テレビ映画という事でトビー・フーパー作品の中でも影が薄いのは否めませんが、彼の作品の中でもかなり良い出来だと思います。
原作の「呪われた町」も読みましたが、そちらには様々な伏線が用意されていました。
でもそれを全部映画に盛り込むのは不可能ですし、全体的な雰囲気は壊していなかったと思うので、キングの映像化作品としても成功した部類ではないでしょうか。
テレビ映画ならではの低予算に起因する安っぽい特殊効果、控えめな残酷描写をマイナス評価する方も居ます。
まあそれも理解できるのですが、見方を変えてみると、この作品ではそれが往年のゴシックホラーのような味としてプラスに働いているのが面白い。
…と個人的には感じました。

小説家のベンは、新作を書き上げる為に、生まれ故郷の田舎町セーラムズロットに帰ってきた。
その街には昔からお化け屋敷として有名な館があり、現在はストレイカーという骨董商が住んでいた。
ベンが帰ってきて暫くすると、森の中で少年が何者かに襲われるという事件が起きた。
それから恐ろしい現象が次々と発生し…

最後は館に住む吸血鬼とベンの対決となる訳です。
吸血鬼はノスフェラトゥのようなツルッパゲ怪人スタイル。
獣のような目などはかなり不気味です。
問題は余り強くなく、意外なほどにあっさり倒されてしまうところでしょうか。。。

 


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