アメ車マニア


「オーメン」シリーズ


オーメン (原題:THE OMEN)

1976年アメリカ映画

悪魔の子ダミアンの誕生から幼少期を描いた作品。

死産した自分の子の代わりに、親を亡くした子供を自分の子として引き取った駐英大使ソーン夫妻。
ダミアンという名前をつけて大切に育てるが、成長につれてダミアンの周辺で不吉な事件が起こり始める。。

オーメン=不吉な前兆というだけあって、思わせぶりな展開が恐怖感を煽ります。
折れた避雷針に串刺しにされる神父。
ガラスで首を切断されるカメラマン。
それらを予見したかのように写真に写った影。
十字架に怯えるダミアン。
ダミアンを見て恐怖に暴れだす動物達。
また何やら呪文のようなテーマソングも怖さを倍増させています。

主演のグレゴリー・ペック、格好いいです。
この人が出ている事でこの作品の格調が確実に上がってますよね。
監督は「リーサルウェポン」「グーニーズ」「スーパーマン」のリチャード・ドナー。
ツボを抑えた作りは職人芸ですね。
ヒットメーカーでありながら単なる商業作品で終わらないのが素晴らしい。



オーメン2・ダミアン (原題:DAMIEN OMEN 2)

1978年アメリカ映画

ティーンになったダミアンを描く2作目。

今作でダミアンを引き取って育てるのはウイリアム・ホールデンですよ。
名優に恵まれてますね、ダミアンは。
続編ではダミアンの前に立ちはだかる敵の死に方に工夫が凝らされています。
エレベーターのワイヤーが切れて体を真っ二つに切り裂いたり、カラスに目を突かれ視界を奪われて道路に飛び出しトラックにひかれたり。
個人的に一番嫌な死に方だと思ったのが、凍った池の氷が割れて落ち、流されながら氷越しに人の顔を見ながら死んでいくパターン。
酷過ぎます。。。

監督が代わって前作ほどの格調はありませんが、ブームに乗って量産されたオカルト映画の中でもよくできた部類の作品です。



オーメン・最後の闘争 (原題:OMEN 3 THE FINALCONFLICT)

1981年アメリカ映画

30代になったダミアンは次期大統領というポストにいる。
しかしそれを阻止するため、唯一ダミアンを倒す事のできる短剣を与えられた暗殺者たちが仕向けられる。

1作目では7本の短剣は刺し方にルールがありました。
ところがこの3作目では刺客1人に1本ずつ持たせちゃうんですよね。
そういう詰めの甘さがまずダメ。

あとは話にリアリティがない。
1作目、2作目は悪魔が身近にいる感じが怖かったのに、3作目はダミアンと周囲の人物の距離感や密接さが微妙でした。
ダミアンも善人っぽさと残忍さが同居しててキャラがブレまくりだし。

大人になったダミアンを演じたのはサム・ニール。
「ジュラシック・パーク」などのいい人イメージが強いから、悪魔役ってのはちょっと不思議な感じがするかもしれませんね。
逆に自分の場合、初めてサム・ニールを知ったのが「オーメン」だったので、正義の味方的なサム・ニールの方が違和感があったりします。

最終的についにダミアンは息の根を止められるのですが、作品としての出来はイマイチ。
スケール感が乏しく、起伏やメリハリもないので終始ダレっぱなしです。
世界を震え上がらせたダミアンの最後に相応しい大団円を期待しただけに、盛り上がりに欠ける終わり方が残念でした。


 


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