アメ車マニア


ぼくのエリ 200歳の少女(原題:LET THE RIGHT ONE IN)

2008年スウェーデン映画


いじめられっ子の少年と、12歳で吸血鬼となって200年生き続けているという少女…の初恋物語。
余計なアレンジが加えられない伝統的な特徴を持った少女 ヴァンパイアが登場します。
それほど直接的なグロい描写はありませんが、古の怪奇映画のようなダークで冷たい雰囲気満点。
何かが起こりそうな気配を終始漂 わせています。

ヴァンパイアを題材としたホラー映画ではありますが、テーマは恋愛や友情。
孤独な少年と少女が北欧の雪景色の中、寄り添っている姿がとにかく痛々しくて切ない。
誰でも経験のある初恋の切なさが本当に痛いくらいに思い出されます。
しかし子供の無邪気さは、時にとても残酷さな側面を見せます。
やっと分かり合えるパートナーを見つけた二人はどこへ向かうのか。。。

気取った芸術映画ではありませんが、映像は非常にセンスが良く、随所にアーティスティックな構図が見られます。
見終わったあとの満足感は中身が空っぽのハリウッド映画では味わえないもの。
北欧の低予算作品でありながら、よくできた原作、練られた脚本、巧みな演出と子役の名演技。
あまりにも良かったので2日続けて見ちゃいました。
シリーズ化されてる某アメリカ産ヴァンパイア青春映画なんか比べ物になりません。
あれを1回見せられるくらいなら「ぼくのエリ」を10回見た方が遥かに有意義です。

ちなみに見終わったら絶対にググって欲しいのが「ぼくのエリ ボカシ」というキーワード。
これで画像検索をかけてみてください。(※物語の重要な所が見れちゃうので、絶対に見終わってからにしてください!)
出てきた画像を見て愕然としますよ。
自分もこの事実を見終わった後に知って「えーっ!!!映倫は何をやっとんねん!」と怒り心頭でした。
余計なボカシを入れたことで核心部分が隠され、映画のストーリーが歪められちゃってるんです。
「ぼくのエリ」を見て、これをググらずに終わっちゃってる人は、この映画を誤って解釈してるんです。
まったくひどい話です。

「ぼくのエリ 200歳の少女」はアメリカで「モールス」というタイトルでリメイクされています。
未見ですがこちらも高評価なので見てみようと思っています。

追記:「モールス」見ました!レビューはこちらにアップしました。

  


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