アメ車マニア


マーダー・ライド・ショー (原題:House of 1000 Corpses)

2003年アメリカ映画


ロックバンド「ホワイト・ゾンビ」の中心人物ロブ・ゾンビの映画監督デビュー作。
ロックンローラーが本業の裏で片手間で撮った映画かと思ったら大間違い。
ホラー映画愛に満ちたホラーマニアが大喜びしちゃうような本格的ホラー映画です。
「悪魔のいけにえ」からの影響を強く感じる作品で、オマージュ的な意味合いが込められているように思われます。

荒野を走る2組のカップルは、車にガソリンを補給する為にガソリンスタンドへと立ち寄る。
このガソリンスタンドは、シド・ヘイグ演じるキャプテン・スポールディングが切り盛りしていた。
スタンドには有名な連続殺人鬼の資料などを展示するアトラクションが併設されている。
エド・ゲインといった有名人の中にドクター・サタンという殺人鬼に関する展示があった。
彼について聞くと、地元で有名な殺人鬼で、彼に縁のある場所がガソリンスタンドの近所にあると言う。
興味を抱いた若者達は土砂降りの中、その場所へと車を走らせる。
道中、ヒッチハイカーの美女を拾って走っていると車のタイヤがパンク。
スペアタイヤが無く走行不能になり、女ヒッチハイカーの自宅へと非難する。
しかしその家は、狂人一家の暮らす家だった。。。

狂人一家を率いるのはビル・モーズリィ演じるオーティス。
「悪魔のいけにえ2」でチョップトップを演じて以来、最大の大活躍を見せてくれます。
一家の母親役は「イージーライダー」「スペースインベーダー」のカレン・ブラック。
この2人とシド・ヘイグの濃いキャラだけでお腹いっぱいになりそうですが、他にも色々と盛りだくさん。
一家には全身火傷を負った大男の息子がいたり、口うるさい爺様もいます。
最後には伝説のドクターサタンと彼が作ったモンスターまで登場してかなり賑やかです。

ただ、濃いキャラクターが大勢出てくる割に、「悪魔のいけにえ」のレザーフェイスのような飛び抜けたキャラがいない。
意外とみんなあっさり描いちゃったのが惜しい気もします。
シド・ヘイグだってほぼ何もしていないし、火傷の大男だって特に活躍も無し。
見終わってふと気付くと、途中からクレイジーなキャラへと変貌する女ヒッチハイカーが一番目立ってたかも。
ヒッチハイカーを演じたシェリ・ムーンは、後に監督の奥さんとなる訳で、監督の熱い思いがそうさせちゃったのか!?

ただ「狂人一家」は揃いも揃って相当逝っちゃってるから、誰か一人を前に出さなくても充分怖いんですけどね。

適度にグロく、適度に卑猥、シュールな笑いに、格好いい演出もあり。
娯楽性たっぷりのホラーです。
この作品が評価されてロブ・ゾンビは後に「ハロウィン」のリメイクを撮る事になります。
それも納得のパワフルさを存分に見せ付けてくれる一本です。


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