アメ車マニア


世にも怪奇な物語 (原題:HISTOIRES EXTRAORDINAIRES)

1967年フランス/イタリア合作


ずーっと昔にレンタルビデオで見たのがこの作品との最初の出会いです。

ロジェ・バディム、ルイ・マル、フェデリコ・フェリーニという仏・伊の大物監督が競作した、3話構成のオムニバスホラー。
原作は3話とも怪奇小説の巨匠エドガー・アラン・ポー。
出演者も豪華で、ロジェ・バディムお気に入りのジェーン・フォンダとその実弟ピーター・フォンダが共演。
ルイ・マルのシークエンスではアラン・ドロンがサディスト役で淑女(?)ブリジット・バルドーをいたぶる。
そしてフェリーニ作品の常連テレンス・スタンプも病的な映画俳優を熱演しています。

でも最初に見た当時、自分はヨーロッパ映画慣れしていないアメリカン小僧だったため、良さを完全に理解したとは言い難かった。
ただ、この映画にしかない恐怖と、ゾクゾクする不気味な雰囲気だけは充分に感じ取りました。
いつかまた見たいなあ、と思いながら20年以上が経過した先日、イマジカBSで無料放送するという情報をキャッチ。
ようやく見直すことができました。

久しぶりに見た感想は・・・

やはりゾクゾクするほど怖いのは間違っていなかった!
そして、ジェーン・フォンダ、ブリジット・バルドーがエロ美しい!
アラン・ドロンがムカツクけどかっちょいい!
ピーター・フォンダ若っ!
テレンス・スタンプきも~っ!
エドガー・アラン・ポーすげーっ!
大物名監督の3人の競作豪華過ぎ!
そしてやはり3作品とも素晴らしい!!


ホラー映画なのに芸術性が高く、それなのに決してお堅くなく娯楽性も高く仕上げられているのがお見事です。
短編3話からなるオムニバスですが、1話終わるごとにもっと見たい!と思わせるのはさすが映画界に偉大な功績を残した巨匠達ならでは。

「黒馬の哭く館」
伯爵家の娘フレデリックは親の死後、莫大な遺産を相続。
傲慢な振る舞いで自堕落な生活を送っていた。
そんなフレデリックを男爵家のウィルヘルムは蔑んで見ていた。
フレデリックもウィルヘルムを見下していた。
しかし運命の悪戯で二人は森で偶然出会ってしまう。
ウィルヘルムに惹かれたフレデリックは彼を誘うが、冷たくあしらわれてしまった。
プライドを傷付けられたフレデリックは腹いせの為にウィルヘルムの馬小屋に放火。
中の馬を助けようと燃えさかる馬小屋に飛び込んだウィルヘルムは死んでしまった。
その知らせを聞いた失意のフレデリックの元へ、ウィルヘルムの愛馬である黒い馬がやって来る。
屋敷の中で馬を飼い始めたフレデリックは、恋人のようにその馬を愛でた。
ある晩、落雷により荒野の草原に火事が発生した。
フレデリックは取り付かれたように馬に跨ると、その炎の中へ馬と共に飛び込んでいくのだった。

「影を殺した男」
ウィリアム・ウィルソンは子供の頃からサディストでずる賢い男だった。
友達を痛めつけようとしていると、そこに同姓同名のウィリアム・ウィルソンと名乗る少年が現れ、ロープで吊るされた少年を助けた。
成長したウィリアム・ウィルソンは医学部へと進学した。
遺体解剖の授業に異常な興味を示し、町で出会った女性を解剖台へと縛りつけてサディスティックな実験を行おうとしていた。
しかしそこにもまた別のウィリアム・ウィルソンが現れ、女性を助け出した。
その後軍隊に入隊したウィリアム・ウィルソンは、賭博場で出会った女性をカードのイカサマで負かし、身包みを剥がした上に、他の男達が見ている前でドレスを脱がして上半身を鞭で打った。
そこへ三度現れたのがもう一人のウィリアム・ウィルソン。
イカサマを暴かれ、軍隊での地位を失ったウィリアム・ウィルソンは、もう一人のウィリアム・ウィルソンの腹をナイフで刺して殺した。
そして教会の塔へと駆け上がり、地面へと飛び降りたウィリアム・ウィルソンの腹にもナイフが突き刺さって絶命していた。

「悪魔の首飾り」
落ち目のイギリス人俳優トビーはイタリアに招かれ、映画に出演する事になった。
映画出演の報酬はフェラーリ。
しかし彼の目には幻のような白い少女の姿が見え、彼の精神を崩壊させようとしていた。
得体の知れない不安を紛らわす為に酒を飲み続けたトビーだったが、耐えられなくなり逃げるようにフェラーリに乗り込んだ。
夜霧の中を爆走するフェラーリ。そしてその霧の先には。。。



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