アメ車マニア


ヴィデオドローム (原題:VIDEODROME)

1982年カナダ映画


クローネンバーグの変態趣味がさらに色濃く表れ始めたのがこの辺りから。
現実と幻覚の境界が曖昧になり、何が本物なのか分からず、見ている方も不安をかき立てられます。

ケーブルテレビ会社の社長マックスは、過激な暴力映像を発信する海賊放送をキャッチする。
その映像に引き寄せられるように、発信元を探し始めるマックスだったが、その頃から奇妙な幻覚に襲われてゆく。。。

海賊放送を見せることで視聴者の脳を刺激し、脳腫瘍を作り出して体をコントロールしてしまう組織の陰謀が明らかになるんですが、映像の虜になってしまったマックスの体には様々な異変が起き始めます。
お腹に裂け目ができて、そこに殺人をプログラムしたビデオテープを挿入されると暗殺者になってしまいます。
こうして殺人指令を受けたマックスは手にピストルを持つと、銃からネジが飛び出してきて腕に突き刺さり、銃と腕が一体化してしまいます。
この辺りはマックスの幻覚なのですが、見事な特殊効果によってリアルに表現されています。

特殊メイクは「狼男アメリカン」のリック・ベイカー。
前述の体の異変の他、脳みそを飛び出させながら苦悶の表情で死んでいく悪人など、見所は多いです。

他にも本当に映像が病んでてですね、「このおっさんは大丈夫かいな?」とクローネンバーグ監督の頭が心配になります。
悶えるテレビを鞭で打ったりとか普通の発想じゃないです。
暴力がテーマなのでSM色が強いです。

そんなぶっ飛んだ「ビデオドローム」を見てると、自分の頭も心配になってきます。
クローネンバーグ監督、映像に変な仕掛けしてないだろうね。。。

 


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