「レインマン」「グッドモーニング、ベトナム」「ダイナー」「わが心のボルチモア」など、名作を撮っているバリー・レヴィンソン監督作品。
アカデミー賞受賞監督が作ったホラー映画として興味津々なのはもちろんですが、ファウンドフッテージというベタなスタイルを選んだ事に驚きました。
今や使い古された感もある流行りの手法を、名匠がどう生まれ変わらせてくれるのか期待が高まります♪
使われる映像は、TVクルーのカメラ、防犯カメラ、ビデオカメラ、スマホカメラ、車載カメラ、Skypeなど。
様々なカメラ映像を繋ぎ合わせる事で、それぞれの場面に臨場感を生んでいます。
ストーリーというよりも、町内で起きたハプニングをそれぞれのカメラで捉えた動画で断片的に紹介していく流れです。
それぞれの動画に記録された内容から最終的に結論に到達する事になるんです。
【舞台】
・メリーランド州のチェサピーク湾にある田舎町クラリッジ
・町の経済を支えるのは多数の養鶏所
・養鶏所から出る鶏の糞が海に捨てられている
・鶏には発育を促進するための薬品を投与されている
・町民は海水をろ過して飲料水に用いている
【事件】
・原因不明の伝染病が発生し、体中に疱疹ができた感染者が大量の血を吐いて息絶える
・海の魚が大量死
・海底を調査すると大量の鶏の糞が堆積し、生物が4割ほど減少
・死んだ魚の体内から多数の寄生虫が発見される
・本来小型の寄生虫が、糞の影響からか巨大化
・飲料水に卵?幼虫?が紛れ込み、人間の体内でも成長
・犠牲者は感染症のような症状の後、内臓や舌を食い荒らされて絶命している事が発覚
こんな流れで街が壊滅するまでを描いていきます。
寄生虫はダンゴムシのお化けみたいな感じ。
小さければ何てことない姿ですが、でかいと宇宙生物みたいでかなりグロいです。
またこの虫に食い殺された犠牲者の体もかなり酷い事になってまして、凄惨な遺体がちょこちょこ出てきます。
ファウンドフッテージものとしてはカメラの使い方が効果的で、先にも書いた通り臨場感があります。
おかげで結構生々しく、ドキドキする場面も多数ありました。
ただ謎は結構早い段階で予想できてしまうので、展開に意外性や驚きはありませんでした。
登場人物の描写が弱く、襲われた人々への感情移入が難しかったのもマイナスポイント。
また冒頭、事件が揉み消されたという陰謀説が語られるのですが、いまいち説明が弱く、ドロドロしたダークさが出し切れていないのもちょっと惜しかった。
ファウンドフッテージとしてはその手法を上手く利用してて好感が持てます。
でも「ちょっとよく出来てるB級パニックホラー」の域を出ていないんです。
はたしてバリー・レヴィンソンがこれを撮る必要があったのでしょうか?
ちなみに、プロデューサーとして「パラノーマル・アクティビティ」の監督、オーレン・ペリが名を連ねていたりします。
何となく「パラノーマル~」っぽいところがあったのは彼の影響?