アメ車マニア


ヒドゥン (原題:THE HIDDEN)

1988年アメリカ映画


監督は「エルム街の悪夢 2」のジャック・ショルダー。
B級SFアクションの超掘り出し物です。

地球にやってきた凶悪宇宙生物が人間の体内に入り込み、強盗、殺人を繰り返していく。
この悪のエイリアンに家族を殺された過去を持つ正義のエイリアンもやってきて、ロス市警の刑事と協力して追い詰めていく。

このようにストーリーの概略だけでも古典的B級SF風味満開です。
でも映像やストーリーにB級臭さや古臭さは皆無。
スピード感溢れる展開は今の感覚で見ても相当スタイリッシュです。
特にテンポの良い編集は「ターミネーター」と並んで、今の娯楽映画の礎と言えると思います。

凶悪宇宙生物の設定が変わっているんです。
まず車はフェラーリが大好き。
逃走に使う車を盗むんですが、わざわざフェラーリの販売店に盗みにいくという拘りよう。
しかもフェラーリ308GTSのカーチェイス&爆破シーンなどもあり、B級SFらしからぬ展開。
あと、ハードロックが好きでレコードショップの店員を撲殺してまで盗んできます。
ハードロックをガンガンかけてフェラーリで銀行強盗する姿はなかなかかっちょいいです。
そして寄生している人間の体が痛んでくると、その人間の口から昆虫のような姿を現し、別の人間の口へと乗り移って悪事を重ねていきます。

この宇宙生物と戦う正義のエイリアン役が「ツインピークス」のカイル・マクラクラン。
この人の繊細で危ういイメージが見事にハマってるんです。
それに協力する刑事役は「フラッシュダンス」のマイケル・ヌーリー。

ただの娯楽作に終わらず、ラストはホロリと感動。軽くファンタジーです。
起承転結のメリハリがあるので、見終わったあとの満足感も高いです。
派手なカーアクションの後にフェラーリを爆破したり、特殊メイクやSFXも駆使したりと、限りなくA級に近いB級といえるでしょう。



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